MagSafeバッテリーパックは良くない方に誤解されて、もはや信者向けアイテムと思われています。 購入して使ってる自分からすると、そんなほどでもないよというお話です。
値段について
3,933円/月月額、3回払い
または
11,800円(税込)
信者向けと呼ばれている主な理由の1つがその値段です。 Ankerやmophie、belkinも同様のマグネットでくっついてワイヤレス充電するモバイルバッテリーを販売していますが、3000円〜4000円程度です。
どうして倍以上の値段になるんでしょうか? Apple税で値段が倍以上になっていると思われがちですが、実は「MagSafe」と「MagSafe互換」という本質的な違いがあります。
MagSafeと、MagSafe互換
MagSafeはご存知の通り、マグネットで位置を固定して最大15Wで充電できる規格です。 MagSafeバッテリーパックは、当然MagSafeでiPhoneを充電します。
それはそう、と思われるかもしれませんが、実は他社の「マグネットでくっついてワイヤレス充電するモバイルバッテリー」は、マグネットで位置を固定してQi(最大7.5W)で充電しています。
たとえばAnkerのものは、Magineticとか、マグネット式ワイヤレス充電とか微妙な言い方をしていて、MagSafeで充電とは言っていません。
Anker PowerCore Magnetic 5000
マグネット式ワイヤレス充電対応 ワイヤレス充電の欠点をマグネットにより解決しました。
MagSafeバッテリーパックは電源につないだ状態だとMagSadeで最大15WでiPhoneを充電します。 それに対して他のものは最大7.5Wでしか充電できません。
さらにMagSafeはNFCでiPhoneと通信できる機能があります。 これによりMagSafeバッテリーパックをiPhoneにくっつけたときに、iPhone側にバッテリー残量が表示されたり、バッテリーパック側のファームウェアがアップデートされたりします。
つまり、そもそもMagSafeバッテリーパックと、他社の似た製品は、本質的に機能が違うわけです。 しかしこれがあまり理解されておらず、後述する出力や容量だけを比較して、高くて性能が低い信者向けアイテムだと誤解してしまうわけです。
性能について
まず出力についてです。 上述のように、他社のものはQiで充電するので出力は最大7.5Wです。 5Wだったり、7.5Wだったりします。 これに比べてMagSafeバッテリーパックは、電源につないでいないときは5Wです。 ただ電源につなぐと最大15Wで充電できます。 後者もあまり知られておらず、5Wという情報だけ広まって信者向けと言われる一因の一つになっている気がします。
次に容量についてですが、これがとても誤解されています。 たとえばAnkerのPowerCore Magnetic 5000は名前の通り5000mAhあります。 これに対してMagSafeバッテリーパックは1460mAhです。 容量に3倍以上の差があるように見えてしまうんですが、実は電圧が倍違う罠があります。 Ankerの方に電圧を揃えると2920mAhとなってだいぶ印象がかわります。 (WhじゃなくてmAhで書く風習をやめてほしい…)
参考: AppleのMagSafeバッテリーパックは2倍の容量がある話
よく見るツイート
これらを複合すると、こんな感じの悪く誤解された信者向けアイテム認定ツイートが出来上がります。
AppleのMagSafeバッテリーパック、出力5Wだし容量1460mAhしかないのに1万円以上するのかよwwwww
Ankerの622 Magnetic Battery (MagGo)は7.5Wで5000mAhで6000円弱だぞ
信者のお布施用じゃん
悲しい。
実際使ってみてどうなの
悲しいことに僕はApple信者なので信者向けかどうかはもはやわかりません。 ただ、値段に目を瞑れば、個人的にはiPhone 12 miniと使うにはとてもいい製品だと感じています。
もともと僕がMagSafeバッテリーパックを購入した理由は、iPhoneのバッテリーを1日持たせたかったからです。 結構ヘビーに使うので、iPhone 12 mini単体だと6〜8時間ぐらいでバッテリー残量がなくなってしまいます。 これはもちろんMagSafeバッテリーパックによって解決しました。 ただ、いい製品と感じているポイントはむしろデザインと15W充電にあります。
まずデザインの話です。 iPhone 12 miniにくっつけて使うと、完全に寸法が一致していて一体化します。 モバイルバッテリーをくっつけている感じというよりむしろ、丸みを帯びて持ちやすくなったとすら感じます。 これが何が嬉しいかというと、MagSafeバッテリーパック自体の軽さもあって、外出時常につけて使えます。 バッテリーをつけたときに持ちにくいと、結局使うときは外して、使わないときにくっつけて充電するという感じになってしまいます。 外出時常につけて使うことで、バッテリー残量を意識するストレスが完全に消えます。 常に充電するなら、iPhone 12 miniなら5Wでも十分です。 この体験がとてもよくいい製品と感じているポイントの1つ目です。
そして15W充電です。 Qiのワイヤレス充電器を使ったことがあるならわかると思いますが、7.5WはiPhoneの充電にはイライラするほど遅いです。 結局有線で充電してしまいます。 しかし、MagSafeバッテリーパックは電源につなぐことで最大15WのMagSafe充電器になります。 この速度はイライラしません!! ということでiPhoneのlightning端子に何も挿すことなく、実質的にケーブルレスで生活することができます。 ケーブルレス生活も体験がよく、これがいい製品と感じているポイントのもう片方です。 (ちなみにiPhone 12/13 miniは最大12Wです…)
ただ、こうなればもっと嬉しいという部分もあります。 バッテリーパックにlightningケーブルを挿さなきゃいけないところです。 USB-Cにしろといっているわけではなく、MagSafeバッテリーパック自体もMagSafeで充電したいということです。 それができれば、MagSafeバッテリーパックの背面にMOFTのマグネットスタンドをつけたり、最近入手したBelkinの3-in-1の充電スタンドにMagSafeバッテリーパックごとくっつけたりできるのになと思っています。 新型MagSafeバッテリーパックがそれになったら即買います。
最後に
MagSafeバッテリーパック、評判よりいい製品なので、みんな買ってほしいです…。 Appleは2週間返品無料なので、とりあえず他社のものを買う前に返品ありきで買ってみてお試ししても損はしないです。 僕はそれで無事購入してしまいました。