失敗しないネット回線の選び方

インターネットの回線は結構罠が多いです。どの時間帯でもそこそこの速度(100Mbps程度)を安定して出すには、数々の罠を乗り越える必要があります。この記事は、罠に嵌る被害者を減らすことを目的として、知っておくとよさそうな情報をなぐり書きました。

はじめに

この記事の対象読者は、少しは技術的な話がわかる人です。

何もわからない人は、とりあえず棟内配線方式をチェックして、オススメ回線あたりを契約しておけばまあ、無難に安定して速いと思います。あとはキャッシュバックをちゃんと受け取れば(後述)満点に近いと思います。

ガチプロというわけでもないので、間違ったことを書いていたらすみません…。参考程度によろしくおねがいします。一番下のメールでご指摘いただければ修正すると思います。

また、アフィリエイトのリンクは貼っていないので正直な意見を書いています。

ネット回線の分類

回線を分類して、順番に説明を書いていきます。インターネット回線を敷こうとすると、色々会社があって訳わからないですが、実は以下のように分類できます。

ちなみに勝手に名前をつけているので、通称と違うかもしれないです。

分類概要
NTT系フレッツ光
ドコモ光
ぷらら光
NTTの敷いた光ファイバーを使います
電力系コミュファ光NTTとは違った独自で敷かれた線で通信します。電力会社の系列で、たいてい全国ではなくて一部の地域にサービスを提供しています。(たとえばコミュファ光は中部地方)
ダークファイバー系auひかり
NURO光
NTTから余った光ファイバー(ダークファイバー)を借りて、それで通信します
その他ケーブルテレビ
マンション共用回線
J:COM
SoftBank Air
ヤバい

その他はオワリです

その他のやつを契約することです。大体激ヤバ回線と思ってください。

マンション共用回線は、インターネット無料とかWi-Fi無料とかの奴です。一つの回線を居住者全員で共有するので、使う人が多くなるとオワリます。

J:COMはなんか知らないけど悪評高いです。

SoftBank Airは実質テザリングなので自明にオワリです。

ケーブルテレビはワンチャン救いがありそう。

ということでもろもろ理解している人以外は契約してはダメです。

NTT系について

仕組み

NTTのフレッツ光と、ドコモ光など光コラボレーション(以下、光コラボ)と呼ばれるNTTから間借りしているものがあります。多分光コラボは、格安SIMとかのMVNOと同じような感じです。僕も一年前契約するとき勘違いしていたんですが、ドコモ光とかフレッツ光とか、ソフトバンク光とか、このNTT系は基本的に同じNTTの敷いた光ファイバーを通っていきます。

じゃあ何が違うのかというと、NGN網というのを理解する必要があります。

NGN網とは

家まで来ているNTTの光ファイバーは、実は直接インターネットに接続しているわけではありません。NTTの線で日本中に張り巡らされた巨大な閉じたネットワーク(NGN網)に接続されます。NGN網とインターネットを繋ぐ、インターネットサービスプロバイダー(以下、ISP)というのがいて、そのサーバーを通ってインターネットへNGN網から出ていきます。

したがって、基本的に同じ光ファイバーを通っていくと書いたのは、ISPまでは同じで、ISP以降が違うという話です。例として、ドコモ光のプロバイダー一覧を見てみるとなんとなく理解できると思います。「ドコモ光は遅い、フレッツ光は速い」のようなことを言っている人をたまに見かけますが、会社のせいというよりは、ISPの違いです(多分)。

IPv4が遅いみたいな話

詳細は省きますが、IPv4とIPv6で、基本的にISPまでの経路が違って、現状IPv4のほうが容量が足りていません。これによりピークタイムでは普通にIPv4で通信しようとすると遅くなります。(IPv4とIPv6自体には速度の違いはほぼないと思いますが様々な事情で、、、)

※ ここらへんの話は難しくて理解が浅いので、結構ガバガバなことを書いていると思います。 NTT フレッツ光における通信速度などの現状について、背景や仕組みから正しく理解する 2020 がとても詳しく書いてありオススメです。

で、結構な人がこの罠にはまりがちです。夜中になると急に遅くなる…って言っている人はだいたいこのパターンだと思います。

この罠の回避策として、IPv4のパケットをIPv6で包んで通信するやつがあります。いわゆるIPv4 over IPv6で、

などがそれにあたります。

僕的には、家/賃貸にNTTの光ファイバーが来ているなら(参照: 棟内配線方式の話)、これらを使うのが速度も安定して速く、そこそこ安くてオススメです。

賃貸の他の人でNTT系の人が多いから速度が落ちるみたいな話

これよく代理店の営業の人とかに言われるんですが、一つの光ファイバーをマンション全体で共有しているわけではないので、多分嘘です。光ファイバーの最大分岐数みたいなのが決まっていて、最大32部屋しか共有しません。で光ファイバーは1Gbps×32=32Gbpsより全然キャパシティあるので、他の原因で遅くなっていると思います。上で書いたISP詰まってる問題が大半だと思っていて、営業の人はそれを勘違いしているんだと思います。

電力系について

コミュファ光しか知らないのですが、コラボ光ではないのでIPv4が遅いみたいな話の罠がないと思います。

光ファイバーが来ているなら(参照: 棟内配線方式の話)、こだわりがなければ割と良さそうと思っています。

ダークファイバー系

知っている限りではNURO光とauひかりがあります。

使ったことないですがとりあえず安定して爆速、だけでいいならこれが最強だと思います。が、使える地域が結構都会に限定されているのが難点です。

NURO光は工事が遅い、結局工事できないとかありがちです。

東京はauひかりの10Gbpsで常勝というイメージがありますが、嘘かもしれません。

電力系とダークファイバー系は使ってないのであまり量なくてすみません。

キャッシュバックの話

いろんな会社がキャッシュバックのキャンペーンやっています。これ結構罠で、たとえばぷららのキャンペーンから引用すると、

キャッシュバック方法について

10か月の継続利用を確認後、振込口座確認についてのメールをお送りいたします。 所定の方法で、口座番号などお振り込み先に関する回答をいただいたのち、ご指定の口座へお振込いたします。 振込口座確認メールは、ご入会時に取得されたぷららのメールアドレス宛てにお送りします。なお、お送りしたメールは「ぷららWebメール」でご確認いただけます。 振込口座確認メール送付の翌月末までにご回答ください、期限までに回答いただけない場合は対象外となります。

とあります。

大体の会社が忘れた頃にメールを送ってきて、それに期限内に回答しないとキャッシュバックもらえません。多分結構な人が忘れています。

代理店の営業の話

定期的にネット回線契約しませんか?という訪問の営業が来ます。この人達は、「ほげほげ光の者です」のように名乗りますが、正しくは「ほげほげ光(の代理店)の者」です。ほげほげ光の契約者を営業でとってきて、ほげほげ光から紹介ありがとね金を貰っている別の会社です。

で、この人達が結構平然と嘘を付いてくるので気をつけたほうが良いです。例(ノンフィクション)をあげると、

  • 「この建物のネットワーク設備を担当しています」
  • 「この建物のネットワーク設備を管理者から任されています」

嘘です。

  • 「この建物NTTの回線使ってる人が多いから、遅くなるんですよ〜」

嘘です。

  • 「NURO光です」

NURO光の代理店です。

  • 「最大1Gbps出ます」(コミュファ光の代理店の人)

コミュファ光、棟内VDSL方式(最大100Mbps)なのに…?

  • 「月額1980円です」

初月割引した価格をあたかも通常の月額のように言ってきます。

  • 「コロナで支援金出ていて〜」

後で調べたけど意味がよくわからなかった。

したがって、別にキャッシュバック額が増えるとか得があるわけでもないので、代理店は無視して直接契約したほうがいいです。

棟内配線方式の話

これとても大事!!

戸建てタイプは直接光ファイバー敷くので、マンションタイプが関係ある話です。

建物の内部の配線方式で結構変わります。

集合住宅のフレッツ光の配線は、3種類あります。 共用スペースに引き込んだ光回線を各戸で共有する「共同利用方式」には、マンション内の配線によって「光配線方式」「VDSL方式」「LAN配線方式」の3つの方式があります。

(フレッツ光のサイトから引用)

まず前提として、NTT系とか電力系とかダークファイバー系でも、基本的にはマンションの共用スペース(MDF室)に光ファイバーを持ってきて、そこから各部屋につなぎます。回線契約するときに工事すると思うんですが、大抵はMDF室までは来てるので、アレはMDF室から部屋まで繋いでいます。たまに部屋まですでに来てるとラッキーという感じです。

そのときにMDF室から部屋まで光ファイバーで繋ぐのが光配線方式、LANケーブルがLAN配線方式(?)、電話の線でやってしまうのがVDSL方式です。

方式速度他の利用者の影響
光配線方式1Gbps~ほぼなし
LAN配線方式100Mbps~不明(なんかありそう)
VDSL方式~100Mbps不明(なんかありそう)

光配線方式はOKです。少なくとも最大1Gbpsで契約できると思います。他の居住者の影響もほぼないと思います。

LAN配線方式はよくわかっていません。LANケーブルが古いと最大100Mbpsしか出ないとか、MDF室でマンション全体の光ファイバーの通信の終端をさせているので、処理能力に限界でそう感があります。うーん。

VDSL方式は電話の線という都合上100Mbpsまでしか出ません。悲しいです。

VDSL方式になってしまうのを回避するために、お部屋探しをする際にはその会社に電話して建物名を伝えて配線方式を教えてもらうのがオススメです。

NTTと電力系で違ったりするのでどちらも調べて、光配線方式の方を契約するのがいいと思います。

IPv4 over IPv6系でポート開放できない話

基本できません。v6プラスは一部指定された256個ぐらいのポートだけしか開けません。DS-Liteは全部ダメだったような。

v6プラス固定IPサービスこれを契約しないと基本ほぼダメそうな印象です。

PPPoEの方のIPでポート開いて、外に出ていくパケットはIPv4 over IPv6で、とかやっている人もいました。

ちなみに僕は一時期VPSを契約してトンネリングしてましたがv6プラス固定IPサービスにしました。

オススメ回線

まとめです。これに従えば基本どの時間も安定して高速に通信できると思います。

まず、

  • NURO光
  • auひかり

が契約できるならそれでいいと思います。

そうでなければ、まず、NTTか電力系の回線が光配線方式のマンション/アパート、あるいは戸建てに住みます。

NTTが光配線方式なら、enひかりのv6プラスオプションつけたものです。コラボ光の中で一番安いし2年縛りとかないので。お好みでフレッツ光クロスで10Gbpsにしたりv6プラス固定IPサービスにできるのも嬉しいポイントです。キャッシュバックの計算とか出来る人なら、他のコラボ光でもv6プラスさえつけちゃえばOKだと思います。

電力系の回線が光配線方式なら普通の1Gbpsのプラン契約すればいいと思います。お好みでオプション付けていただいて。

最後に

読んでいただいてありがとうございました。

この記事がどなたかの役に立ったら嬉しいです!

めちゃめちゃ参考記事

NTT フレッツ光における通信速度などの現状について、背景や仕組みから正しく理解する 2020